機能性に優れた美しいバリアフリー住宅
寒く、暗く、風通しが悪い昔ながらの間取りを、明るく広い間取りに変更
リフォーム前の間取りは昔よくあった”リビングが中央に計画された窓がないタイプ”。部屋が細かく区切られていて、暗く風通しも悪い上に、気密性が低いため冬の寒さがこたえるということでした。
間取りはLDKと寝室を一つの空間にして、来客時は天井吊引き戸で仕切ることもできる明るく風通しの良い部屋を計画。吊戸にすることで床面のレールをなくし、フラットな床を実現。
部屋の隅々まで自然光が差し込むようになったため、天気が良い日などは心地よく温かい部屋になりました。さらに床暖房とインナーサッシ(内窓)の設置で天候が悪い日や冬の寒さが厳しい日などに備えています。
防音効果もあるインナーサッシ(内窓)の効果で、車や電車の音も気にならなくなったそう。
将来、介護が必要になった時にと用意された住み込みの介護者用居室と寝室の間にはウ
ォークスルークローゼットを配置して、介護者が着替えやリネン類を持って、直接寝室
へ来られるように。各部屋のドアは引き戸にしてあるため、普段は引き戸を開け放して
おけば風が通り抜け、部屋の空気をいつもフレッシュに保つことができます。
バリアフリー設計でありながらも、洗練されたデザインに
ご高齢な夫婦の二人住まいということで「バリアフリー設計でありながらも、木を多用して明るく洗練されたデザインにしてほしい」というご要望から今回の計画はスタートしました。
【バリアフリー設計】
■床の段差
玄関から廊下、それぞれの部屋との間には必ず段差があり、T様は室内での転倒事故を心配されていました。玄関と浴室を除く全部屋の床段差をなくしフラットな床面を実現。
■廊下
90㎝しかなかった廊下幅を1mに拡張して、車いすの生活になった時にも対応できる十分な幅を確保し、将来手すりの取り付けも可能なように、壁面下地補強を施て、すぐに手すりが設置できるようにしています。
■トイレ
リフォーム前は廊下にあったトイレを寝室のすぐ近くに配置して車いすと介護者が入っても余裕のあるスペースを確保。リビング・ダイニングにも隣接することから、ニオイ対策にエコカラットを壁面に取り付けています。便器脇には手すりを取り付け、車いすに乗ったまま手が洗えるよう、足元の部分がオープンになったタイプの手洗器を設置するなど配慮しました。
■玄関
部屋の間取りを工夫して玄関スペースを確保。靴の脱着に欠かせない腰かけベンチには立ち座りがしやすいように手すりを設置。玄関をより広く明るく感じさせるため、大判の明るい色合いのタイルをチョイスしています。
■浴室
室温の急激な変化で起こるヒートショック対策として床は冷たさを感じさせない素材を採用し、浴室換気乾燥暖房機を設置。入口は3枚引戸にし、手すりを3方に設置。浴槽は保温浴槽で省エネにも配慮しています。
■洗面化粧台
車いすに乗ったまま使えるように足元がオープンなタイプを採用。暖房機の設置で、冬場も入浴時や身支度の時間もあたたかです。
■キッチン
高齢で調理をされないため、キッチンはコンパクトサイズを採用し、リビング・ダイニングスペースを広々とさせ、調理器具は火災の心配のないIHクッキングヒーターにしています。
OUTLINE 概要
所在地:東京都
築年数:31年
リフォーム費用:1,260万円
こだわり条件:
■バリアフリー設計(車椅子対応)
■木を使った洗練のデザイン
■冬の寒さを感じない温かい空間