どうする?子育て ~乳児編~

赤ちゃんの子育てについては専門家の研究により、一世代前と今とで考え方が異なることがあります。
けれども、それらがすべての赤ちゃんに当てはまるわけではありません。赤ちゃんは個人差が大きく、
「お菓子作りのようにきちんとしたレシピ」
が子育てにはないからです。
ここでは代表的な子育ての「今」を取り上げてみました。赤ちゃんを育てているお母さんやご家族は、
医師や保健師など専門家にも相談しながらその子の個性や資質などに合った育児方法を共有し、
日々、アップデートしていきましょう。

離乳食は
噛み砕いて
与えない

大人が噛み砕いて食べ物を与えると、大人の口の中にいるムシ歯菌が唾液を通してうつりやすいことがわかっています。他の感染症のリスクもありますので、箸やスプーンの共用もおすすめしません。なお、離乳食の開始時期は一般的に生後5、6ヵ月ですが、赤ちゃんの成長には個人差があります。よく観察してタイミングをみてください。

赤ちゃんを
抱きすぎると
抱きぐせがつく

そもそも、赤ちゃんには抱かないと泣く子もいれば、そうでない子もいます。もともとの性格によるものが大きいのです。あやせば泣き止むのなら、それがその赤ちゃんに合った対応だと思ってください。

赤ちゃんの
日光浴は避ける

昔は赤ちゃんのくる病(ビタミンD不足)予防に日光浴が推奨されましたが、今は屋内で外気に触れさせたり、早朝か夕方に短時間お散歩したりする外気浴程度でもくる病は回避できるとされています。赤ちゃんの肌は薄くてデリケート。日よけや帽子などで直射日光を避けましょう。ただし日照条件が悪い地域では、適度な日光浴が必要となる場合があります。

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赤ちゃんの行事今昔
~お食い初め~

平安時代が起源とされる伝統行事。生後100日頃の赤ちゃんに祝い膳を用意し「一生食べ物に困らないように」という願いをこめて食べさせる真似をします。また、同じ日に歯の健康を願う「歯固めの儀式」も行います。昔は地域によって決まったやり方がありましたが、今は料亭やホテルのプランを利用したり、お食い初めセットを利用してご自宅で行ったりと、それぞれのスタイルで行うご家族が増えています。

お話を聞いた方

宇野かおる氏
医学博士、産婦人科学会員、小児外科専門医、外科専門医。虎の門病院外科及び産婦人科レジデント終了後、東京大学小児外科入局。いくつかの病院勤務を経て、現在は埼玉成恵会病院人間ドック勤務。

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