人生100年時代と言われる今、心身ともに豊かに生きていくためには、長い人生に耐えることのできる健康な身体を維持していくことが不可欠でしょう。そのためには、自分自身での日頃のケアや心構えがますます大切になってきています。一方で困ったときはお互いさまです。これからの日本社会では「繋がり」がさらに重要になってくるでしょう。厚生労働省は、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を推進しています。高齢化が進む中、もし病気になってしまってもコミュニティ内でお互いに支え合う仕組みがあれば安心です。また認知症の予防など、健康の維持にも人との繋がりは有効です。
マンションコミュニティを育むためにも適した住まいです。例えば健康のための運動、一人ではなかなか続けることが難しくても、ラジオ体操のように皆で取り組める仕組みがあればモチベーションもアップできるのでは。介護や育児もマンション内のコミュニティで助け合うことができるかもしれません。また、心を若々しく保っていくためには多世代との関わりが欠かせませんが、マンションのような環境は世代を超えた交流にも適していると言えるでしょう。
IoT や AI などの進化したテクノロジーを活用すれば、身近なコミュニティの中でそれぞれが持っているスキルや時間を有効に組み合わせることができ、より安心で豊かに生活することが可能になるかもしれません。世界に先駆けて高齢化社会が訪れる日本では、様々な価値をシェアするための仕組みづくりが必要となってきています。
健康寿命とは健康に日常生活を送れる期間のこと。平均寿命と健 康寿命の間には男性で約9年、女性で約12年の差があるのです。 つまり何もしなければ約10年も寝たきりや認知症の状態かも!? 健康を維持するために、今すぐにできることから始めましょう。
資料: 平均寿命は、厚生労働省「簡易生命表」、健康寿命は厚生労働省が「国民生活基礎調査」を基に算出した値(平成25 年)
目指す社会は、現在はバラバラに受けているサービスをIoT、AI等の革新的技術を用いて、全ての方々が質の高い医療看護介護、及びそれに付帯する食事、掃除等の生活サービス等全般を受けることのできる社会でそのプラットフォームの構築に尽力しています。
京都大学経営管理大学院 ホスピタルマネジメント研究寄附講座(アイカ工業)特定教授
医師・医学博士・MBA 岩尾 聡士
国立長寿医療研究センター勤務後、アメリカ国立老化研究所(NIA)等での研究後、名古屋大学経済学研究科教授、藤田保健衛生大学医学部地域老年科教授を経て現在に至る。未病予防の研究者。
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