今回からスタートする、『わが家の安心・安全』。第1回となる今号で取り上げるのは、住居内での子どもの事故について。特に低年齢の子どもの住居内での事故は、実は交通事故よりも多く起きています(右グラフ参照)。技術の進歩やライフスタイルの変化で家庭内に新しい物が増える一方、計り知れない子どもの好奇心が、大人には想像もつかない形で事故につながることも。しかし使い方や置き方のちょっとした配慮で事故は防ぐことができるものです。子どもに優しい空間は、高齢者を含む全ての人にとっても安心・安全な空間です。最近では子どもの事故防止に配慮した製品や設備も増えています。子どもへの配慮をきっかけに、わが家をもっと安心・安全な場所へと進化させませんか?
ちょっと目を離した隙に溺れてしまうことも。入浴中は短時間でも目を離さないように注意しましょう。子どもは水遊びが大好き、残し湯も危険につながります。
ブラインドの操作紐が、ちょうど子どもの顔や首に引っかかる高さになっていませんか?ベビーベッドやソファーの側など、特に注意しましょう。
小さくても重たい家具や、危険なものが詰まった引き出しなどは子どもの事故につながることも。大きな家具同様に、転倒防止などの対策をしておきましょう。
刃物や火気など危険がいっぱいのキッチン。包丁の保管は扉をロックするなどの工夫を。湯気も子どもの興味を引くもののひとつ、炊飯器置場にも注意しましょう。
子どもが勝手に入らないよう、ドアを閉めたり、ゴムバンドをかけるなどして注意しましょう。内側から蓋をあけられる、新しい機種も出てきています。
転落事故を防ぐため、子どもを一人でベランダに出さないようにしましょう。エアコンの室外機や足がかりとなるプランター等は、柵から最低60㎝以上は離しましょう。
特定非営利活動法人キッズデザイン協議会理事。株式会社ユニバーサルデザイン総合研究所代表取締役社長。シンクタンクとして各種のコンサルティング、空間開発、地域開発、JISZ8150「子どもの安全性ー設計・開発のための一般に原則」策定にも関わる。内閣府「企業参加型子育て支援サービスに関する調査研究」検討委員。
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